トリートメント③　【山中さんのチュートリアル】

●施術前の髪(や肌)の状態
・30代女性
・月1アルカリフルカラー
・毛先にブリーチの履歴あり
・毛先にアイロンの熱による硬化、摩擦による切れ毛あり

●目指す仕上がり
・強度を回復させ、中身を補充

●施術前の髪(や肌)の状態から考えた施術工程
・シャンプー　
Toitoitoiシャンプー
スチームミストを当てながら髪の毛がほぐれるまで優しく揉み込み
↓
チェンジリンス
↓
タオルドライ
↓
・トリートメント工程
全体にBYAC塗布→揉み込み→
ヘマヘマ（10倍希釈）→チェンジリンス
↓
（BYAC、ヘマヘマを手応えを感じるまで繰り返す）
↓
水洗
↓
シブミンEX（5倍希釈）チェンジリンス
↓
いきいき：neoミスト（5倍希釈）
スチームミストを当てながら揉み込み
↓
チェンジリンス
↓
水洗
↓
タオルドライ
↓
リケラプラス3Dリノベータークリーム塗布
↓
遠赤外線照射機10分
↓
チェンジリンス・タオルドライ
↓
全体にハイエマルジョン塗布
↓
超音波アイロン
↓
ヘマヘマ（10倍希釈）→キトキト（10倍希釈）
↓
キトキトの濃度を上げながらチェンジリンス
↓
水洗
・アウトバス
リケラミスト、アジアンムーン

●各施術工程の意図

【BYAC／ヘマヘマ】
毛髪強度アップ、土台作り／
定着を促す

【シブミンEX】
ケラチンとCMCの結びつき強化
BYAC臭の消臭

【いきいき：neoミスト】
路づくり、穴埋めハリコシアップ
【リケラプラス3Dリノベータークリーム】
AEDSケラチン導入

【ハイエマルジョン】
軽く収斂しながらセラミドCMC補給

【ヘマヘマ／キトキト】
定着／キューティクル補強、等電点を目指す

●修正を加えた箇所
なし

●修正の理由
なし

●結果及び考察
・うねりや広がりが抑えられ、自然なツヤがでましたがもう少し毛先の硬さ、収まりを改善できたらなと思います。

榊さん今回もどうぞよろしくお願いいたします。

今回はお客様によく見られる、生活ダメージにより強度が低下してしまった髪の毛に対するアプローチをシンプルにまとめました。工程はシンプルですが効かせ方の工夫をしていますのでぜひご注目ください。

よりケア成分を馴染ませ、定着させるためにToitoitoiシャンプーにスチームミストを当てています。
Toitoitoiシャンプーのもつプラス電荷を、濡れたダメージ毛のマイナス部分に吸着させ、これから行うトリートメントの土台をつくることが目的です。
プラス電荷を持つカチオン化ポリマーは水に溶けにくい性質を持つため、アニオン性界面活性剤と混ぜることにより水に溶けやすくなります。それを髪の毛に定着させるため、少量の水を少しずつ足していき馴染ませるのが今回のポイントです。温度が高いと成分が緩まり、中に入っていきやすくなるためスチームミストを使用しています。ない場合はチェンジリンスの要領で水を含ませていくことでも可能です。

今回のお客様は比較的細毛で、毛先にはケミカルダメージもありましたのでダメージボイドが大きいと想像しました。ボイドが大きいと処理剤の浸透は早いですがその分抜けやすいため、高分子PPTで髪の毛に定着しやすい、いきいきを選択しました。

AEDSケラチンの導入についてお答えいたします。
今回のお客様は、特に中間から毛先までの強度が落ちている状態で、濡れると髪の毛が少し伸びる状態でした。いきいきでハリコシをアップさせましたが、さらに強度を上げるためにS-S結合を増強させることができる3Dリケラリノベーターを選択しました。AEDSケラチンもプラスの電荷を多く持ち、ダメージしたマイナス部分によく吸着してくれるため、ブリーチ履歴のある毛髪にはこれが最適と判断しました。

補強という部分では十分に効果があると思います。
今の髪の毛のポテンシャル以上の強度や効果を求める場合は、リケラリノベーターにアクチベーターを混ぜた活性リケラを使用する方法を選びますが、今回はあくまでもトリートメントのオーダーでしたので、ダメージのリスクが少しでもあるものは避けました。

毛先の硬さはしなやかさが足りないことで出てしまいました。しなやかさ＝水分量と考えますので、いきいきを定着させた後にさらさらシード：neoミスト5倍希釈を追加します。うるおいとなめらかさをプラスするためです。